アップセル・クロスセル・ダウンセルの違いと成功させるポイント

アップセル・クロスセル・ダウンセルの違い


商品を販売する際に、購入を促進する手法として「アップセル」「クロスセル」「ダウンセル」があります。
これらの手法は、ただ単にその場で売上アップさせるだけでなく、お客様満足度の向上やリピート購入の促進にも影響を与えます。

この記事では、中村式心理学マーケティング、起業家大学の学長 心理学マーケ博士の中村博が、アップセル・クロスセル・ダウンセルの違いと成功させるためのポイントを詳しく解説していきます。

ビジネスの成長を目指す方々にとって、必見の内容ですよ!

アップセル・クロスセル・ダウンセルの違いと基本知識

それでは、まず、アップセル・クロスセル・ダウンセルとは、どのような物かを理解して違いをしっかり把握しましょう。

成功させるポイントを事例付きでご紹介しますよ

アップセルとは何か?

アップセルとは、顧客が購入しようとしている商品よりも上位の商品を提案し、より高額な購入を促す手法です。

アップセルを成功させるポイントは以下の3つです。

1.お客様の課題を理解する

アップセルを成功させるには、まずお客様の抱える課題や悩みを丁寧に聞き取ることが重要です。目の前のお客様が何を求めているのか、どのような問題を解決したいのかを把握しなければなりません。

例えば、ノートPCを検討している顧客に対しては、「持ち運びに便利」という要望があれば、より軽量・コンパクトなモデルをアップセルとして提案するのが効果的です。一方、「動画編集が快適に行えること」が課題であれば、より高性能なCPUやGPUを搭載したモデルをおすすめするといった具合です。 お客様の立場に立って考え、そのニーズを的確に捉えることが肝心です。

2.適切な商品を提案する

お客様の課題に合った、より上位の商品を提案することが重要です。単に高価な商品を押し付けるのではなく、機能面や品質面での優位性を丁寧に説明し、購入のメリットを理解してもらうことが肝心です。

例えば、高級カメラのアップセルとして、より高画素数のモデルや、高性能なレンズを備えたモデルを提案するのが効果的です。撮影の幅が広がることや、画質の向上といった具合に、お客様にとってのプラスの変化を具体的に示すことが重要です。 期待に応えられる商品を見極め、その魅力を十分に伝えることが成功への近道です。

3.タイミングを見計らう

アップセルの提案は、お客様が商品選定に集中している最中が効果的です。
つまり、購入直前の段階で提案することで、購買意欲を高めることができるのです。

例えば、ノートPCの購入検討中に、より高性能なモデルをアップセルとして提案するのは効果的です。一方で、商品選定が完了し、決済画面に進んでいる段階では、あまり効果的ではありません。 お客様の購買行動を見極め、ベストなタイミングを見計らって提案することが重要です。

クロスセルとは何か?

クロスセルとは、お客様が購入した商品と関連性のある別の商品を提案し、追加の購入を促す手法です。

クロスセルを成功させるポイントは以下の3つです。

1.関連商品を見つける

クロスセルを成功させるには、まずお客様が購入した商品と相性の良い、関連性の高い商品を見つけることが重要です。商品の機能や用途を深く理解し、組み合わせの良さを見極める必要があります。

例えば、ノートPCの購入者に対しては、マウスやキーボード、ケースなどのアクセサリを提案するのがよいでしょう。
一方、カメラの購入者には、三脚やメモリカード、レンズフィルターなどを提案するのが効果的です。

お客様の利便性を高め、より豊かな体験を提供できるような関連商品を見つけ出すことが肝心です。

2.適切なタイミングで提案する

クロスセルの提案は、お客様が購入した商品の使用開始時や、次の購入タイミングなど、関連商品の需要が高まる時期に行うのが効果的です。

例えば、ノートPCの購入者には、PC購入を決めた直後にマウスやキーボードを提案するのがよいでしょう。PC本体の使用を始めるタイミングと一致するため、関連アクセサリへの需要が高まっているはずです。

お客様の行動パターンを見極め、関連商品の需要が高まる適切なタイミングを見計らって提案することが重要です。

3.商品の相乗効果を説明する

クロスセルを成功させるには、関連商品を組み合わせることで、どのような便利さや効果が得られるのかを丁寧に説明することが欠かせません。

単に関連商品を提案するだけでなく、お客様の課題解決につながることを理解してもらえるよう心がける必要があります。

例えば、ノートPCにマウスを組み合わせることで、より快適な操作性が得られることを伝えます。カメラに三脚を組み合わせれば、手ブレを抑えた安定した撮影ができることを説明するのです。

このように、関連商品の相乗効果を具体的に示すことで、お客様の購買意欲を高めることができます。

ダウンセルとは何か?

ダウンセルとは、お客様が購入しようとしている商品よりも低価格の商品を提案し、購買を促す手法です。

ダウンセルを成功させるポイントは以下の3つです。

1.お客様の予算を考慮する

ダウンセルを成功させるには、まずお客様の予算感を把握することが重要です。
高額すぎる商品を提案しても、購買に結びつきません。お客様の財布事情を踏まえ、適切な価格帯の商品を提案する必要があります。

例えば、カメラを検討しているお客様に対しては、予算が許す範囲で、機能や性能を抑えた低価格モデルをダウンセルとして提案するのが効果的です。一方、ノートPCの購入検討者には、必要最低限の機能を備えた低価格モデルをおすすめするといった具合です。

お客様の背景にある事情を丁寧に聞き取り、それに合わせた適切な提案を行うことが肝心です。

2.類似商品を提案する

ダウンセルでは、お客様が購入しようとしている商品と機能面や品質面で似た商品を提案することが重要です。

必要な機能は備わっているものの、価格が抑えられる理由を丁寧に説明することで、購買意欲を高めることができます。

例えば、高級カメラの代替として、機能面では少し劣るものの、十分な写真撮影が可能な中級モデルを提案するのがよいでしょう。ノートPCの場合は、CPUやメモリなどのスペックを少し落とした低価格モデルを提案するといった具合です。

お客様の要望を踏まえつつ、価格面での優位性を明確に示すことが肝心です。

3.価格面での優位性を示す

ダウンセルでは、代替商品の価格が抑えられる理由や、コストパフォーマンスの良さを明確に示すことで、購買意欲を高めることができます。

例えば、カメラの代替モデルを提案する際は、「ほぼ同等の撮影画質を実現しつつ、価格を大幅に抑えられる」といった具合に、価格面での優位性を丁寧に説明します。

ノートPCの場合は、「必要最小限の機能を備えているため、コストパフォーマンスが高い」と伝えるのがよいでしょう。

お客様にとって魅力的な提案となるよう、価格面での訴求ポイントを明確にすることが重要です。

アップセル・クロスセル・ダウンセルを売上アップさせるポイント

アップセル、クロスセル、ダウンセルは、それぞれ独自の特徴と効果があります。

これらの手法を組み合わせて活用することで、より効果的な売上アップが期待できます。

例えば、ノートPCの購入者に対して、まずアップセルとしてより高性能なモデルを提案し、次にクロスセルとしてマウスやキーボードなどのアクセサリを提案する。また、予算が厳しい場合はダウンセルとして、必要最小限の機能を持つ低価格モデルを提案するといった具合いです。

何よりも重要なのは、お客様満足を最優先にすることです

お客様の立場に立って考え、真摯に向き合うことが成功への近道です。

例えば、アップセルの提案では、機能面での優位性を強調するだけでなく、お客様の課題解決につながることを丁寧に説明する必要があります。

クロスセルでは、関連商品の相乗効果を具体的に示し、利便性の向上を訴求することが重要です。ダウンセルの場合は、価格面での優位性だけでなく、必要な機能が備わっていることを理解してもらうことが肝心です。

このように、お客様の立場に立って提案することで、お客様満足度を高めながら、売上アップにもつなげることができるのです。

まとめ

アップセル、クロスセル、ダウンセルの概要と成功のポイントを丁寧に解説しました。これらの手法を適切に活用することで、売上拡大につなげることができるでしょう。 ただし、手法の活用には一定のノウハウが必要です。

お客様の理解を深め、ニーズに合わせた提案を行うことが何より重要です。ぜひ、この記事を参考にしながら活用していただければと思います。